葬儀の光景「じいじへのお手紙」

糸島まごころ葬儀羅漢の竹島です。

その子は、通夜の日ホールに来たときから、元気でおしゃまな子でした。折り紙を手に、まっすぐ私のところへやって来ると、「ハサミはありませんか」とハキハキとした声で語りかけてきました。(当社ではご遺族の皆様に折鶴を折っていただこうと、控室に折り紙をそなえています)

渡してあげると、しばらくして細かく切り込みがはいった折り紙を持ってきて、「くものす」と言って見せてくれました。「わっ すごいね」

しばらくしてロビーにお参りの方が見えだすとドリンクコーナーのお茶をお盆にのせ、「どうぞ」とすすめてていました。「おもてなしですか」と声をかけると、答えはその子のママからかえってきました。「今のうちから教えているんですよ」その様子がとても可愛いくて、お参りの方もほほえんでおられました。

今度は受付カウンターの椅子に座ると、顔だけしか出ない受付嬢は、私の方に向かってピースサインをしてくれました。「四歳くらいかな」とスタッフと話していると「ごさい!」とすぐに訂正を入れられました。(聞こえていたんだ。プライドを傷つけてゴメンナサイ🙏)

・・・そして葬儀当日、じいじへお別れのお手紙を読むことになりました。スタンドマイクを一番下まで下げ、更にヘッドを思いっきり下向きにしたマイクに向かって、その子はお手紙を読みはじめました。

「・・・やさしいじいじはてんごくでもやさしいとおもいます・・・」急に悲しみが襲ってきたのか、あの活発で元気な子が言葉が途切れ、傍に寄り添ったママに顔を押しつけしがみつき、ママに抱かれたまま席に戻りました。

純粋で健気なその姿に、ホールの空間が愛につつまれたように感じました。後方で控えていた私の目に映る参列の方の背中が、それを物語っていました。 この世界は本当は愛で出来ているに違いない。そう思えた光景でした。